悪戯な作品神様は悪戯が過ぎるので死んだほうがいいと思った。さすがにこの行為は戯れが過ぎる。神様がいるとすれば相当な悪ガキに違いない。もし目の前にいればきっと私は殴るだろう。ごつんと。 神は何故私に…………。 ……むぅ。この現象を言葉にするのはなかなか難しい。おそらくどんな言葉を用いてもこの私の中に宿ったものを正確に捉えることはできないだろう。しかし私の知っている言葉から一番適当なのを選ぶとすれば、多分それは…………。 ……やっぱり言語化は難しいと思った。どんな言葉を用いても私の中にあるものを他人に伝える事はできないだろうし、まず私自身それがなんであるかを正確に理解していない。うん、説明する側の自分が理解していないものを他人に説明できるわけがない。 私は本を読む。もしかしたらこれが神様の悪戯の対象に選ばれた原因かもしれない。この読書と言う行為で、私はだいぶ多くのことを得た。 その中に、私の中に宿ったものを中心に物語を進めている本もいくつかあった。 その本の著者は私を大いに苦しめている私の中のこの現象を、『炎』と例えている。この著者が炎と例えているものと私の中の現象は果たして一致しているかと言えば確証はないが、この著者は本一冊と言う情報量を持ってこの『炎』について書き記していて、それを読んだ私が思うに、一致とまではいかないまでもおそらくだいぶ近いものだと思われた。 炎、と言うからにはめらめらと燃えているに違いなく、消えたりするのか、と考えてみればたしかにそうのようだった。そして点火することも可能なのだろう。――神が私にそうしたように。 となるとこれほどまでに激痛を伴うのは、この炎が私を少しづつ蝕み焦がしているのか。なんて思うとだいぶ共感した。 こんな炎を灯した神様に私は拳骨を落としてやろうと思う。いい迷惑だ。もしこの原因が私の前に現れたとしたら、即殴り倒している。 「クリア。お茶を持ってきてくれ。痛て」 部屋から顔を出したご主人の額を、つい反射的に軽く殴ってしまった。 「申し訳ありません。マスター」 「一体どうしたんだ? ああ、また本を読んでいるのか。邪魔して悪かったね」 「いいえ。すぐお茶を用意します」 私はそう言って頭を下げて、台所へと向かう。 炎が燃え盛っていて、熱かった。このままだと私は燃えに燃えて、しまいには炭になってしまう。 だって私は、木造りの人形なのだから、それはよく燃えるでしょう。 ◇ ご主人の家に来たとき、私はその本の山々を見て唖然とした。しかしその時の私に『唖然』と言う感情があったか、と考えるとおそらく無かったろう。私はそのとき全く本には気にも留めず、乱雑とした部屋を見ても全く動じず、ご主人の顔だけを無感情に見つめていたはずだ。 ならば何故ありもしない『本の山々を見て唖然とした』なんて過去を思い出したのだろう。と考えると、おそらくこの唖然は今の私が過去に手を加えた結果の、『唖然とした』と言う記憶だと思われた。過去は変わらないのに、ありもしない感情を抱いた過去を捏造していた。 これも炎の力だろうか。しかし、よく分からない。 いつからこの炎が灯されたかは覚えていない。いつの間にか燃えていて、それに気付くのに時間がかかってしまった。おそらくその頃の私はご主人の溜めた本の山を読みふけるのに忙しくて、神様の放火に気付かなかったのだろう。 「読んでみれば?」 本の山々を見つめていた私に、ご主人が放った言葉は短く簡単だった。私は人形なので、別に本に興味を持って山々を眺めていたのではなく、どう片付けていくかを計算していたのだが、ご主人はそんな私の様子を見て勘違いされた様子で、私に言った。 『読んでみれば?』 疑問系である。この場合の普通の対処としては、 「いえ、私は人形なので本は読みません」 とか言えばよかったのだ。つまり断らなければならない。 しかしここで小さな奇跡がおき、もしかしたらこのときに既に神様が悪戯していたのかもしれない。 「読んでみます」 こんな返事を私は返した。ご主人は私が初めての使い人形だったらしいから平然としていたが、一度でも人形を使ったことがある人間だったらさぞ驚いただろう。 私達は仕事をする以外の行動は取らないように設計されているのだ。命令には従うが、この場合のようなご主人の曖昧な言葉では私が動くわけがなかった。 しかし私は本を読んだ。 まず目に付いた大きな本棚の一番下の棚から一冊取り出してきて、読んだ。 「クリア。それは辞書だぞ?」 「クリアとは? マスター」 「お前の名前だ。だって製造番号って味気ないだろう?」 私に名前がついた。 ところでこのときは辞書ががどういうものだか分からなかったので、結局全部読破したが、今となってはなんとも馬鹿みたいな行為だと思える。私の記憶能力はそれほど優秀ではなく、その内容は殆ど覚えていないのでますます無駄であった。ただ字を目で追っていただけだった。 分厚い辞書の二冊目を手に取ろうとしたとき、マスターは呆れた様子で私に本を持ってきた。小さな薄い本だった。表紙は赤で、少し古くて汚れていた。 「辞書を読むより、そっちのほうが面白い」 私は言われたとおり読んだ。しかしまだ文字を目で追うだけであり、内容を理解するには程遠い状態だった。 けれど何か、何か新しいものが私の中で踊った気がした。 私はその本を早々と読み終わると、この本のタイプとよく似た本がたくさん収められてる本棚を発見し、端から順番に読み漁った。 もちろん本を読みふける一方で、使い人形の仕事である家事全般、ご主人の世話はしっかりとやっていた。しかし掃除だけ駄目だった。どうしても本が散らばってる家を掃除しようとすると、本を片付けることになるが、本を手に取ると気付くとページをめくっていて、全然進まないことがしょっちゅうだった。しかしご主人はその様子を笑って見ていて、あんまり気になさらなかった。 さてこんな生活を送り、私は家の本はほぼ全部読破した。だが大体週に一度はご主人が恐ろしい数の本をたくさん買い込んでくるため、本が無くて退屈。なんてこともなかった。 この頃に感じている退屈、と言うのはしっかりとした感情であったように思える。読んだ本の内容も少しは理解できるようになっていて、最初の頃目で文字を追うだけで終わった本を読み返したりした。 そしていつからか自分の内面が軋み、痛みが現れるようになった。 初めは老朽化のせいかと思われた。しかし検査してみてもその傾向は見られず状態は良好。ああ一つ言えば、この検査に行った時ドクターにビックリされた。なんせ私がプログラム以外の言動をするものだから、精密検査をたくさんされた。しかし異常は見当たらない。 「一回クリアしますか。そうすれば直りますよ。しかし珍しい現象だ……」 クリアと聞いて一瞬私の名前かと思ったが、どうやら消すという意味で使われたようだった。そう理解すると、突然悲しみが襲った。ああこれが悲しみと言うものなのだな、と考えたことを覚えている。 つい無意識的に、私はご主人の腕をそっと掴んでいた。本当はいけないことなのだが衝動的にどうしようもなく、とっさに袖を軽くつまむ程度に抑えた。 「いいえ。このままでも大丈夫です」 ご主人はそう言ってくれた。 ◇ 痛みは強くなる一方で、しかしどうしても抑えることはできないし、和らげることもできない。本に没頭していたりご主人と話していると少しは忘れられたが、そのあとさらに大きな波となって痛みが全身を襲った。 もし泣くと言う行為が許されていたならば、きっと私は嗚咽を漏らし涙を流していただろう。でも私は人形なので、ただ無表情でいた。時折ご主人に痛みが強いと告げてみると、 「やっぱりもう一回病院に行ってみようか」 「……いえ、やめておきます」 もし行ったら今度こそ私は『クリア』されてしまうかもしれないから。 「でもクリア。辛いなら原因を探らないと、辛いままだよ?」 一瞬びくっとしてしまった。クリアされることの可能性を考えていたから。でもそれは私の名前という意味で使われたものだった。クリア。それは私の名前だ。私はクリアだ。 「マスター。私はクリアです」 「え、ああ。お前はクリアだな。なんだ突然」 「私はクリアですか? それとも人形ですか?」 自分でも何故こんなことを言ったか分からない。答えはクリアと言う名の人形だ。何故聞いたんだろう。私は。 ご主人はさすがに目を丸くして、しばらくぽかんと口を開けて驚いていた。そしてなにやら難しい顔で思考にふけり、そして、 「お前はクリアだ」 炎が揺らめいた。心地よい熱さが内面を迸り、全身に伝わり、私はなんだか立っていられなくなって、ご主人の横に椅子に詰まれた本をどけて座り込んだ。人形がご主人と席を共にするのはいけないことだが、どうしてもそうしてしまった。 この衝撃はとても強かった。そして今までのような痛みだけの炎ではなかった。しかしそれでもしばらくすると炎はもとの色に戻り、痛みは少し強さを増して私を苦しめ続けた。 なんなんだろう。これは。神様は悪戯が大好きなようだ。私で遊んで、相当楽しんでるに違いない。 ご主人は私をクリアであると言ってくれた。しかし私は人形だ。私はクリアと言う名の人形なのだ。 私はご主人とは違う。ただの木造りの人形。この差が、辛い。 この差が辛い? 私は自分で自分の言葉に驚いた。私は人形であることが辛いのか。それともご主人と同じでないのが辛いのか。 どこに差があるのかは上手く掴めない。私は人形で、ご主人は人間だ。形と間。この文字の違いはなんなんだろう。どう違うのだろうか。 苦しみ続ける私に、ご主人は特に何もしなかった。あの場所に連れてはいかなかったし、私を『クリア』もしなかった。ただ私は本を読み、ご主人と時折話を交え、そして家事をした。 神に玩ばれて戸惑う私の元に、それがやってきたのはいつのことか。 ◇ チャイムが鳴った。来客のようだが、ご主人は本を買いに出ていていない。この場合私はご主人がいないことを相手に告げて伝言を預かると言う対応をしなければならない。 ドアを開けると、そこには一人の老人が立っていた。黒スーツに身を包みハットまで被っている。右手に使い古した風な杖を持っていて、左手に小さなカゴを下げていた。カゴには布が被さっていて中身は見えない。 「こんにちは」 老人の声は落ち着いていて、聞き心地は良いものだった。 老人は私の目を見て、やがて柔らかく微笑んだ。 さっきも言ったとおり、私はこの場合ご主人が不在のことを相手に告げ、伝言などを預かったのち、お帰りしてもらわなければならない。なのに私は、何故かこの老人を家へとあげてしまった。 これはとてもいけないことである。さすがのご主人も私に呆れ、私は捨てられてしまうかもしれない。捨てられないまでも『クリア』されてしまうかも。 でも体は勝手に動いて、老人を家の中へと招いてしまった。老人は家の中の惨状に目を丸くしながら、私が応接間に案内すると、傍のソファーに腰を下ろした。テーブルにカゴを丁寧において一息つく。 私がお茶を持っていくと、老人はそれを喜んで飲んだ。私は彼の向かい側の椅子に腰を下ろす。これもいけないことである。お客様と人形が席を同じにするなど。 しかし私は何かに惹きつけられていた。ただ夢中で老人の前に座り、 「貴方はどなたなのですか?」 私が聞くと、 「私は何者でもない。名前もない。ただの商人さ」 と老人はお茶を飲みながら答えた。ただの商人、とは全く見えない。 「お嬢さんには名前があるかね」 「……クリア。私の名前はクリアです」 「クリアさん。そうか、クリアね。ふむふむ」 この老人が普通の人間でないことを私は感じ取った。感覚なんてない私が感じ取ったというのもおかしな話だが、何かこの老人はおかしいと全身で感じた。 真っ黒な服装と、不思議な雰囲気。姿はまったく違うが、なんとなく彼のような存在を本で読んだ事がある。 「貴方は悪魔ですか?」 言ってから気付いたが、これは最高に失礼な言葉だ。しかし私はお詫びをするでもなく、ただ老人を見つめた。老人はびっくりしたように私を見つめて、それから笑った。 「悪魔。悪魔。なるほど、悪魔か。なぜそう思ったのだね? お人形のクリアさん」 「私は本を読みます。貴方はその本の中に出てくる悪魔という存在と、なんとなく似ているというか……」 「なんとなく。人形が、なんとなくと言う。はっはっはっ。君は面白い人形だな」 人形と言う言葉が不快だった。私はクリアだと名乗ったのに。やはり私はクリアではなく、人形なのか。ご主人とは違う存在なのか。すると痛みが全身に走り、眩暈がした。 「結局貴方は何者なのですか?」 「さっきも言ったとおり、名のない商人だ。ただ君の言うとおり、少し異の存在であることはたしかだがな」 彼は悪戯っぽく笑い、そのガラスのような瞳で私を見つめた。目を通して私の内面を眺めるような、そんな視線だった。 「何か、君も普通ではないな」 「…………」 私の中にある炎を覗き見たのだろうか。 「人形にはないものを君は持っているな」 凄いと思った。この老人とてつもなく怪しいが、しかし私の内部にある炎に気付いた。もしかしたらこの痛みの原因をも明確にし、解決してくれるかも知れない。 「炎です」 「炎?」 老人はきょとんとした。 「炎が宿っているのです。私の中に。この炎だという発想は本から来ています。この炎は私を苦しめるのです」 「ほほう……。炎、ですか」 私はこの炎のことを描いた本の名前を次々と口にしていった。炎、と言う言葉を私に教えてくれた本の名前も言った。それらを老人は黙って聞き、やがて私が言い終わるのを待って、 「恋とでもいうのですか。その炎は」 恋。炎と例えられた現象のことを描いた作品の中によく出てくる言葉だ。しかしいまいち理解できない言葉。 「貴方は恋をしているのですか。人形なのに」 「分かりません」 やはり後悔した。なぜこんな老人を家にあげてしまい、しかもこんな話をしてしまったのだろうか。 老人は私を興味深げに見つめていて、 「人形が他人と交流を持つのは、おそらくそのご主人くらいだろうが……その炎の相手はご主人かね」 ご主人。私のこの炎の原因はご主人? 痛みが走り、俯く。黙りこんだ私を老人はしばらく思案気に見つめて、 「ふむ。名前があるのなら、お客としての条件は満たしているな」 老人はなにやら呟いて、やがてそのカゴに被さった布を取った。 そこには小さな蝶が一匹、かごの中でひらひらと舞っていた。恐ろしく白くて、うっすらと光を放っていた。 「私は商業者だ。貴方にこれを売ろうと思うのだが」 「これはなんです?」 「命だ」 「命」 蝶は優しくかごの中を舞っていた。私は思わず魅入られ、するといつもの激痛が体を襲った。思わず胸に手を当てる。 「本来なら人間に売り与える代物なのだが、君は人形でありながら命を欲しているようだ」 「私はそんなものいりません」 「しかし、君はご主人に。人間に恋心を抱いているのだろう?」 どういう意味だか理解できず私が考えていると、老人はなおも落ちついた口調で続けた。 「人形が人間に恋をするなんて。しかし人間と人形の境はなんだろうね」 「…………さぁ」 老人はいつの間にかカップを空にしていて、それをゆっくり机に置いた。 「それは命かもしれない」 「命……」 かごの中の蝶に視線を投げる。白い蝶がひらひらと羽を動かして、カゴの中という狭い空間を彷徨っている。 私の中に欲求が生まれた。炎が燃えて、脳裏にご主人の顔が浮かぶ。 「これが命というなら、随分小さくですね」 「そういうものさ。生命なんて」 「これをくれるんですか? 私に?」 老人は手にしていた杖で床を軽くとんと突いて、 「売るんだよ。私は商人だ。これは品物で、君はお客」 「でも私はお金を持っていません」 「お金なんかで命が買えるものか。そうだな、」 老人は私を真っ直ぐ見つめた。それは品定めするような、それでいて優しさのこもった目。 「君は本を読むのか」 「読みます」 「なら本は書くかね」 「書く?」 本を書くというのは、初めて触れる発想だった。いつも読んでるあの本たちを、私が書く? 「そうだ。君が書いた本一冊と、この蝶を交換しよう。いいね」 「書けばいいんですね。私が本を」 「そうだ。でも、」 老人は人差し指を私に突きつけて、 「書いて欲しいのは、君だけの物語だ。誰かの作品の真似とかではなく、君の本だ」 「私の……物語」 ドアが開く音がして、ご主人のただいま。と言う声がした。応接間から出て、ご主人に頭を垂れる。 「お帰りなさい。すみません、お客様を勝手にあげてしまいました」 「お客?」 ご主人は私の隣を通り過ぎて、応接間を覗いた。 「誰もいないけど?」 「え?」 私も慌てて応接間を覗くが、ソファーには老人は座っていなかった。 ただ、お茶が机の上に置いてあるだけだった。 ◇ 紙とペンが乱雑に散らかった部屋で、私はただ窓から見える青空を眺めていた。 あの炎はまだ私の中でゆらゆらと動いているようだった。時折思い出したように私に痛みをもたらすけれど、その痛みすら愛おしかった。 いつからだろう。この痛みが平気になってきたのは。私が一作目を完成させたときだろうか。それとも二作目? いや――、きっとそのどれでもない。たぶん、ご主人が私の本を読んで「よくわかんない」って感想を漏らした時だと思う。 面白いって言わせてやる。私は私の作品を書いて、ご主人から面白いという言葉を奪い取ってみせる。 私は毎日ここに座っている。ご主人が私のために用意してくれた部屋で、本に囲まれて、ペンを片手に、紙を目の前にして、 私は私の物語を待ってる。いままでたくさん本を書いてきたけど、あの商人が取りに来ていないということは、それはまだ私の物語が出来ていないことなのだろう。 書いてみせる。今日も私はそう意気込んで、机に向かうのだけど、 ……うーん、なんにも浮かばない。書けないなぁ。 ふぅーと背伸びして、自分で入れたお茶を一口飲む。 ……そうだ、そろそろお洗濯と夕食の準備をしなくちゃ。お掃除は……また今度。 最近私は思う。この体の中にある炎が、老人は恋だと言った。 しかし、これはたぶん恋ではないのだ。恋心も……その、まぁ……あるけれど。でもこれは恋の炎ではない。 もし私が私の物語を書けたときは、老人に言ってやろうと思う。「命なら間に合ってます。ふたつもいりません」って。 自分しか書けない物語ってその人の命がこもっているものだと思う。私が今まで読んできた本たちは、皆誰かの命が宿っていて光り輝いていた。 なら、私が自分だけの物語を完成させた時、それはきっと……この炎がそれであると証明されただけのことなのだと思う。 神様は本当に悪戯が過ぎる。そんな神様に私は頭が上がらない。 「クリアー。ご飯まだかな」 「はい、ただいまー」 立ち上がろうとして、ふと真っ白な原稿用紙に目が行く。今日は何も書けなかったし、何も思い浮かばなかったけど、でも一つだけ無性に書きたくなって、ペンを走らせた。 「クリアー」 「はいはい、ただいま作りますー」 原稿用紙の最初の行に、書いてやった。 『私の物語』 著・クリア ジャンル別一覧
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